発話2.0

志村2号として、

「創造性とは何か」http://yaplog.jp/muraryo/

の今日の記事である

「天才の実例③ 村山」http://yaplog.jp/muraryo/archive/43

に参加(トラックバック)して、「発話」と「創造性」について考えてみた。


村山氏は、天才坂本桂一氏の特性の一つに「おしゃべり」であることを指摘している。

トラックバック先の記事に書いたコメントは、

「おしゃべり」と「創造性」の関連は面白いです。
いま労働市場で最も評価の高い能力が、このブログのテーマである「創造性」と「コミュニケーション能力」であるのは、この2つに相関があるからなのかもしれませんね。
「創造」は「発話」から。重要な仮説だと思います。

これは本当に重要だと思うので、もう少し思考をすすめてみたくなった。


私が感じている「おしゃべり」の効用の一つは、「思いがけない考えが出てくること」だ。
これは私だけでなく誰でも経験のあることだと思う。
言っている最中に、思いもかけない言葉が飛び出してきて、それを引き取って、また思いもかけない考えに結びつく。
最初にあった何かモヤモヤしたものが、言葉にして発したとたんに、いろいろなものを引き連れてきて、どんどん形を整えていく感じ。
わかるでしょ、この感覚。


村山さんの講義なんて、まさにその最たるものだ。
話している途中で、頭の中にさまざまな火花が散っているのがよくわかる(私だけ?)。それがオーディエンス(受講生)を一層ひきつける。


私の仮説はこうだ。

「発話」=脳の回路の起動スイッチ

時系列で追うとこんな感じ。

  1. (眠いかも?)という感じ(質感、クオリアシニフィエ) それ以上は思考が広がらない モヤモヤ
  2. 「眠い!」と「発話」する(言語化シニフィアン) 固定化
  3. その瞬間スイッチオン!
  4. 脳の中が起動(ギューーーン!;起動音w)
  5. いろいろな回路をめぐり「眠い!」に呼応した他の記録をどんどん自動検索
  6. 中には「眠い!」とは関係ないようなものも検索しちゃう

名づけて「発話起動スイッチ仮説」
なんか説得力なくなくないですか?(^-^)

神経経済学2.5

題名は「神経経済学」=「2.5」という意味。
「経済学」+「心理学」=「行動経済学」=「2.0」
「経済学」+「脳神経科学」=「神経経済学」=「2.5」
という感じ。

fMRI(機能的磁気共鳴画像)という人の脳の様子を直接のぞきこむことのできる装置を持ち込み、経済活動(情報処理)を脳神経科学で説明する、いわば神をも畏れぬ新学問である(かなり大げさだけど)。


2004年くらいに茂木健一郎氏が著書や講演で紹介し始めてから日本でも脚光を浴び始めているが、まだ日本語の著書もなく断片をネットで拾うことができる程度でしかない。

『脳と創造性』という著書で紹介したのが最初なのかな?(氏の著書は全部読んでいるので間違いないと思うけど)

どのような時にどれだけのドーパミンが放出されるか、すなわち、その人がどのようなことを「うれしい」と思うかということは、その人の生き方自体に関わることである。「ドーパミン・マネジメント」が人生を決めるのである。

文明を発達させ、生物としての生存自体はとりあえず保証された人間の殆どの欲望は、脳によってつくりだされ、脳によって消費される。脳の感情のシステムが人間の欲望を形作る。このような視点に立って、脳の感情の働きから、ダニエル・カーネマンらが進展させてきた行動経済学の成果を見直し、さらに発展させることを目指す「神経経済学(neuroeconomics)」という新分野が最近提案され、注目を集めている。

創造は、脳の価値判断のプロセスと無縁ではない。将来的には、神経経済学と創造理論の統一が視野に入ってくるだろう。

村山さんの関心領域にどんぴしゃにフィットするような紹介をしてますね(^-^)。


具体的な実績を見てみよう。


人間の不合理性の最たるものの一つに「双曲割引」という考え方がある。
双曲割引とは、簡単に言うと、
「遠い将来のことを考える場合には「忍耐強く」なることができるが、近い将来のことには「せっかち」になってしまう」
という人間の行動を表したものだ。
「近接効果」とか「アリとキリギリス仮説」とか「今ここ原理」(今ここが大事から)とか「時間割引率」なんて呼び名もついている行動経済学の中心的な命題だ。

例えば、

  • 恐ろしいほどの金利であっても「消費者金融」で金を借りてしまう
  • ダイエットがうまくいかない
  • 夏休みの宿題を後回しにする
  • 老後のための蓄財ができない
  • ・・・

皆さんも覚えのあることばかりでしょう。
全く合理的ではない。

神経経済学は、この「双曲割引」の検証を完了している。
一般的な選択では「前頭前野(理性脳)」が働くが、近い選択では加えて原始的な辺縁系(情動脳)」が働くという。辺縁系(情動脳)」ドーパミンニューロンが多く衝動的行動に関わるとされており、近い選択ではせっかち度が上昇すること、すなわち衝動的行動(衝動買い)が「気持ちいい」ことが検証されている。
「情動は理性を駆逐してしまう」(ルドゥ)のだ。


またブランド効果などの検証も進んでいるらしい。
コカ・コーラ」のラベルと「ペプシコーラ」ラベルを見せると、「コカ・コーラ」のラベルにだけ辺縁系(情動脳)」が働き、ドーパミンが放出されているということも発見されたという。たとえ「ペプシ・コーラ」の愛飲者であっても「コカ・コーラ」のラベルのみ「気持ちよさ」を感じるんだそうだ!理由はわかってはいないが、これはホントだとすると、かなりおそろしいことだと思う。
サブリミナル効果」のように、潜在意識をコントロールするようなことも可能になるのだ。


今後研究がすすみ、どんな刺激に対して辺縁系(情動脳)」が働くのか、事例がどんどん出てくることだろう。
もしかすると、茂木氏のいうように、人間の創造性の向上に多くの貢献をするかもしれない。
できれば私もそれをいちはやくキャッチして、私自身の「ウリ」にしたいとも思う。


しかし、一方でそんな領域に踏み込んではいけないのでは?という懸念も抱く。


それよりもっと危惧するのは、この学問領域の成果が一部の権力者に握られたとき何が起きるか?である。。。

神の見えざる手2.1

昨日の「神の見えざる手2.0」の続きである。


思いついていながら、重要なことを書き忘れていた。


>「神の見えざる手」は、おおよそは正しいことが立証されてきた。


と書いたが、その続きを書くのを忘れた。

では、どのような場合に「神の見えざる手」が崩れるのか?ということである。

それは2つある。

①不確実性の高い場合

②他の創発が強く働くとき

である。
具体的には、

①不確実性の高い場合

たとえばバブル景気、流行、昨年の衆議院選挙などの情報カスケードが生じるようなケースである。
不確実性が高い場合は、人は少ない不確実な情報でものごとを判断しなくてはならないので、「合理的経済人」の前提が崩れる。
こういう場合は、人は広義の「信頼」をベースとした「人マネ」をすることを選択する。
最近はそもそも不確実性が増大しているので、常に人は簡易な情報処理をしていると考えたほうがよいかもしれない。

②他の創発が強く働くとき

富の偏在については、「神の見えざる手」は無力だ。
それはパレート「80:20の法則」が強く働く。難しくいうと「ランダム則」が「べき乗則」に負けたということ。

②の他の創発について書くのはまたにして、①についてもう少し突っ込んで考えてみる。

前回、①の援用領域として行動経済学」「社会資本」「一般行為理論」(「radical trust」)などの諸領域の理論があることは紹介したが、まだ非常に重要な領域がある。
それは社会心理学「行動生物学」である。
「行動生物学」「利己的遺伝子説」(ダーウィンドーキンスなど)は、またいつか紹介することとして、今回は社会心理学を取り上げておく。


社会心理学は、人間が社会的動物として効率的に生きていくために遺伝子に組み込まれた多数の簡便情報処理原理を発見している。
以下に一気に原理を紹介する。細かい話は最後に紹介する参考図書を読むように。

①返報性の原理

  • お中元、お歳暮
  • サンプリング、試食
  • ティッシュ
  • 譲歩のお返し

②一貫性の原理

③社会的証明の原理

  • バンドワゴン(「さくら」)効果
  • お笑い番組の観客
  • 行列のできる○○○屋

④好意の原理

  • 類似性の法則
  • ハロー効果(好意)
  • 外見の魅力
  • お世辞、お追従

⑤権威の影響力原理

  • ハロー効果(権威)
  • 肩書き
  • 服装
  • 装飾品

⑥希少性の原理

  • ハード・トゥ・ゲット・テクニック
  • 期間限定商品
  • 地域限定商品
  • お取り寄せ
  • ○○名様限り

コントラストの原理

  • ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
  • スーツを買ったら、ネクタイも
  • 住宅買ったら、車も

社会心理学の諸原理は、マーケターの必須習得科目である(村山さんも私もよく使っている)。


この原理はそのまま「だまし」の原理となる諸刃の剣であることはおわかりになるだろう。
だからこそ「信頼、親近感、思いやり」が大事なんだよ、わかるかな?


社会心理学を学ぶ上で私がすすめるのは、

『影響力の武器』(ロバート・B・チャルディーニ/誠信書房

神の見えざる手2.0

初回の「創発2.0とは?」の記事で、「創発」といって私が思いつくのが、
 ○アダム・スミス「神の見えざる手」
 ○パレート「80:20の法則」

だと述べた。


創発」は一種の公理に近いものであるといえるが、この2つの「創発」に関してはそうともいえなくなってきたようだ。ご存じの方も多いと思うが、この2つの「創発」は「2.0」に書き換えられようとしている。
「神の見えざる手」は行動経済学」「神経経済学」「ニューロエコノミクス」の登場、「パレートの法則」はロングテールの登場で、新しいパラダイムに突入した。
いずれも大きなテーマを私たちに投げかけているので、それぞれについて取り上げたいと思う。


まず「神の見えざる手2.0」である。

アダム・スミスの「神の見えざる手」とは何か?
おさらいしておく。

市民社会の構成員間の自由な競争では、各人はもっぱら自らの利益のみを追求しているにもかかわらず、社会全体にとっての利益をもたらすことになる。このような自由市場経済は、全体をいっさい管理しなくても、円滑かつ効率的に機能するはずだ。それはまるで「神の見えざる手」に導かれ、組織化されているようなのだ。

ということだ。
新古典派経済学の拠り所であり、事実おおよそは正しいことが立証されてきた。


インターネットの草創期にNapsterのMitch Kaporは、アーキテクチャとは政治である」と述べた。
個々のユーザーが「利己的な」興味を追求することによって、自然と全体の価値も高まるような仕組みを作ることを目指したのだ。
政治というよりも経済といった方が適切であったろうが、まさにこれはスミスのメタファーである。


しかし、スミスの「合理的経済人(ホモ・エコノミクス)」という仮定がインチキであることは誰でも気づいていたし、バブル景気などは合理性の礼賛ではどうしても説明はできなかった。


そして、米国プリンストン大学ダニエル・カーネマン教授と故エイモス・トヴァスキーが行った心理学の研究が、2002年にノーベル経済学賞を受賞したことがきっかけとなり、急速に行動経済学に対する関心が高まったところから、スミスの前提が急速に崩れ始めた。

行動経済学は、

人間の判断は全て感情に基づくものであるから、行動はその感情に左右されてしまい、必ずしも合理的な行動をとるわけではない、という考え方をベースにする。経済学と心理学の融合(創発)である。

だという。
マーケティングの領域に身を置く者にとっては、「何とも当たり前のことなのに、何でこんなに騒ぐのか?」と驚いたものだが、経済学にとっては画期的であった。


<!ここからが重要↓>


で、何がエポックメイキングなことかというと、それは行動経済学による「神の見えざる手」の解釈にある。
行動経済学」では、別に「神の見えざる手」を否定はしていない。ホモ・エコノミクスの前提を否定しているだけである。
注目すべきは、その過程に「信頼」という概念を導入していることにある。


行動経済学の最重要研究課題は、実は「信頼」なのである。


そして、それは学問をまたいで、社会学「社会資本」という概念と直結する。
「社会資本」とは、

「人的資本」でノーベル経済学賞を受賞したゲイリー・ベッカーとシカゴ大学で同僚であったジェームズ・コールマンが提唱した概念で、経済的繁栄を決定づけるものでありながら、従来の経済学の構図では完全に欠落していた要因である。国やコミュニティや企業の経済面での競争力は、間接的ではあるけれども、メンバー間にどの程度固有の信頼感があるかに左右される。「社会資本」とは信頼が社会やその一定の部分に行き渡っていることから生じる力である。人々が容易かつ効率的に協働する能力を持っているということだ。その根底にあるのは、信頼、親近感、思いやりなのである。


要はこういうことだ。

人々は個々の感情に基づいて行動するが、社会的・文化的価値や規範、習慣による「信頼」の制御作用をうけ、それによって全体をいっさい管理しなくても、円滑かつ効率的に機能する

これが「神の見えざる手」の現代版、すなわち「2.0」なのである。


これは、「社会資本」という概念だけでなく、パーソンズの「一般行為理論」(行為システム理論)における「サイバネティクスの原理」にも符合するところである。


そして驚くべきことに、Tim O'Reillyの「web2.0ミームマップ」にあるように、「web2.0」の基本的な概念の根底には「radical trust」(一方的な信頼)が謳われている!!!


このように、分野は違えども共時的な類似性をみるとき、それを「創発」という。
「信頼」しかも「一方的な信頼」という「創発」である。


では、そんな視点でマーケティングをみると、、、
そうです、「関係性マーケティングにつながってくるのである。
そして「信頼」はパーソナルだからこそ、6次の隔たりの実感が大事になってくるのよ(ホッホッホ)。


ね、大きな流れからみていく「創発」って面白いでしょ。
つまり、個々の領域の話だけではなく、そのネットワーク体系である「社会2.0」の重要なキーワードとして、「信頼、親近感、思いやり」が中心視されることは間違いないのである。 ということ、でありますた。



追記)


こういうのを書いていると止まらない。私の頭の一部はやはり「研究者」なんだと思う。
今回は難しかったね。siroさんには面白がってもらえそうだけど(^-^)


次はロングテールに行く前に、「神経経済学」「ニューロエコノミクス」に触れたいと思う。
まだ日本語の本も出ていない分野だけど、「アハ!」「クオリア茂木健一郎氏がいまゾッコンらしいから。

editor2.0

いつか私なりの「社会2.0」(Next Society)を標榜してみたいと思うが、まだその時期ではない。
しかし、大よそは次のような流れになるものと予想している。

社会1.25 自立↑ 依存↓
社会1.5  自立→ 依存↑
社会1.75 自立×依存↑ 自立↓ 依存→
社会2.0  自立×依存↑↑ 自立↓ 依存↓

よくわからんと思うが、私もうまく説明できない(スマソ)。
説明できないが、何となくイメージするとこんな感じになる。
まあ「創発性」が高まっていくような社会をイメージしたのだな。
β版であっても世に出してバージョンアップしていくのが「2.0」の精神である(^-^)。


さて、今回のテーマは「職業2.0」である。
とりあえず社会の見立てをしたのは、「職業2.0」を説明したかったからだ。


結論から言おう。
「職業2.0」は、「editor(編集者)」である。しかも旧来の「editor」ではなく、「editor2.0」である


では社会の見立てに沿って、その代表的な職業をあてはめてみる。

社会1.25 consultant
社会1.5  coordinator
社会1.75 workshopper(造語)
社会2.0  editor2.0


行為で表現すると、
「コンサルテーション」→「コーディネイト」→「ワークショップ」→「編集(今の概念ではない)」
となる。


知の分散化はどんどん進んでいるが、
とりあえずは「コンサルタント」「先生」という人が今より増加する。
しかし、早晩死滅する。
次に分散する知を「コーディネイト」する人、
「ワークショップ」まで落とし込める人が中心化していく。
そして登場するのが「editor2.0」である。

具体的な職業名は「経営者」かもしれないし、「管理者」かもしれないし、「コンサルタント」かもしれないし、「クリエイター」かもしれないし、まま「編集」かもしれない。
名称はどうでもいい。いずれにしても「編集」職なのである。「ゼネラリスト」とは違うから気をつけていただきたい。


私は、昔から「編集」という仕事が神に一番近い「創発」仕事だと常々思っている。

  • 市場の風を読み取り(メタパラダイム把握、解釈)、
  • 同時に詳細に分析し(分析)、
  • 資源・素材を集め(収集)、
  • 組み合わせ(編纂)、
  • パーセプションを変える新しい価値を生み出し(価値創出、創発)、
  • わかりやすい論理、わかりやすい言葉、わかりやすいデザインに加工し(価値表出)、
  • 世に伝えていく、導入していく(市場導入)。


これ以上の職業が他にあろうか?
現在の「編集者」は、上記の一部分しか機能していない、もしくは「出版」に限定されている。
その意味で、これから中心化するのはもっと広義の「編集者」−「editor2.0」なのだ。


私の身近な人のイメージとしては、村山氏、R25編集長F氏が「editor2.0」に相当する。


私も次につくる名刺の肩書きには、「マーケティング エディター」もしくは「マーケット エディター」、どうせなら「エディター2.0」ってしようか?(爆)

設計2.0

本業務より、こっちの方が面白いので今日も記事UP(^-^)。


この記事の題名「設計2.0」は、「設計」の「2.0」(進化形)という意味ではない。
「設計」こそが「2.0」であるという記事である。


このブログが村山理論へのオマージュであることは既に述べた。
この記事は、私が最もSyncする村山理論のエッセンスである「設計」について述べることにする。
(Iさん、○さん、ここをちゃんと押さえといてね)


村山理論の中でも、私が一番共感を覚えるのが「設計」の概念である。

「企画」=1.0 → 「設計」=2.0

同様に村山氏が提唱している

「分析」=1.0 → 「解釈」=2.0
「知識」=1.0 → 「思考(施考、自考、試考)」=2.0

というのも、非常に腹に落ちる。


加えていうと、これは

「要素還元」=1.0 → 「メタ・パラダイム」=2.0
「過去志向」=1.0 → 「未来志向」=2.0
「事実」=1.0 → 「価値」=2.0
「単一」=1.0 → 「複合、横断」=2.0

という意味も内包している(志村解釈)。


私自身が行き詰まりを感じていた世界(「1.0」)の境界線を取り払い、一気に「2.0」に導いてくれた。
これが村山理論の主題であることを知った瞬間、私はこの人についていこうと思ったのだ(笑)。



創発」への関心を高めて世の中に目を向けると、いろいろな「符号の一致」が浮かび上がってくる。


今日「設計」ということで情報を集めていたら、こんなpdfを見つけた。

日本学術会議『新しい学術の体系』→ これ

これは日本学術会議委員長である吉田民人東大名誉教授が「学術のあり方」を提言したレジュメだ。
吉田氏といえば、上野千鶴子らが師と仰ぐ「社会学」の大家である。
※「吉田民人」(Wikipedia)→ これ

これを読むとわかるが、現在の学問の世界でも

「認識科学」=1.0 → 「設計科学」=2.0

という流れが起こっていることがわかる。
具体的には、

「あるものの探求」=1.0 → 「あるべきものの探求」=2.0
「事実命題」=1.0 → 「価値命題」=2.0
「?」=1.0 → 「俯瞰的研究」=2.0
「文理分離」=1.0 → 「文理融合」=2.0

というパラダイム・シフトが必要だとされている。


村山氏と吉田東大名誉教授の「符号の一致」Sync。
これも明らかに一種の「創発」である。


私は、私自身の新しい理論を構築したり、新しい事実を発掘することにも興味があるが、ここまで行き着いている村山氏の理論をより深めたり、新しい見方を発見することにも大変関心がある。後者の方が社会への重要な貢献ができる可能性が高い。
多くの学者がそうしているように。
多くの宗教が伝道者によって深められたように。

生きがい2.1

simfarm2006-01-02


「生きがい2.0」の活用法として、商品・サービスの「コンセプトチェック表」を作ってみた。
「価値」への表出作業ですな(^-^)。


ごめんなさい、画像が小さくて見えません(→右上)。
無料はてな会員は小さい画像しかUPできないんだと。


具体的に説明すると、
個人ごと、商品・サービスごとに抽出すればそれこそ無限にある「選択基準」の「創発」的なものになっている。
「生きがい」という最上位の7因子なので、当然といえば当然なのだけど。
主観的でも客観的でもいいので、各欲求への充足度に対する評点を0〜3点の4段階で入れる形式。


チェック項目は以下のようになっている。

①生存充実感への欲求
 安全性、安心性、安定性、喜び、楽しみ、遊戯性、参加、創造、社会貢献など

②変化への欲求
 新規性、生活の変化の演出力など

③未来性の欲求
 未来記号性、成長性など

④反響への欲求
 他人からの反応、承認、話題性、交流、共創、協働など

⑤自由への欲求
 自由度、可変性、カスタマイズ性、独創性、自発性、冒険性など

自己実現への欲求
 投企性、ブランド発現性、自己成長、栄誉、地位など

⑦意味と価値への欲求
 意味性の可視化、価値の明確化、解釈可能性、意味と価値多様性など

ちなみに昨年のヒット商品である「オール電化住宅」を評価してみると、

①生存充実感への欲求 2点
②変化への欲求      2点
③未来性の欲求      3点
④反響への欲求      2点
⑤自由への欲求      1点
自己実現への欲求  2点
⑦意味と価値への欲求 2点

となりました(画像のように★印で可視化してます)。

ターゲット別に評価をしてみたり、競合商品・サービスと比較してみると、差異がよりはっきりするね。
BtoCの商品・サービスであれば汎用的に活用できると思うので、ピンときたら使ってみてちょ。
私のクライアントにも見せて、反応を探ろうと思っちょります。


今日は創発2.0」4つ記事UPしたけど、止まらなかったよ。面白くて。


まさに「無償の遊戯的活動こそ文化的活動の芽生える母体」ホイジンガ)なのである。


明日からは本業務に突入。
3日で報告書1本仕上げなきゃいけないので、お遊びはまた後で。。。